Cool で辛口な本がほしい

 
ニットマルシェ―あみあみZAKKAをつくろう。 (vol.1(2006春/夏)) (Heart Warming Life Series―クラフト*Caf〓 sister) を買つてみた。
掲載されてゐる作品全ての編み方が載つてゐるわけではないといふ、ちよつとふしぎなあみものの本だ。どちらかといふと初心者向けだらうか。編み方や編み図を載せるといふよりは、「あみものつてこんなにステキなのよ」といふ主張の方を強く感じる本とでもいはうか。
 
それにしても、どうして手芸の本といふのはかういふやうに「ファンシー」といはうか、「をとめ的」な方向になつてしまふのだらうか。
思ふに、さうした本はもういくらもあると思ふ。
これといつて具体的なイメージがあるわけぢやないのだが、なんといふか、かう、もつと Cool で辛口な編み物の本つてないもんだらうか。
 
そんな本は売れないのかな。
結構需要はあるんぢやないかと思ふのだが。とくに今なら。
 

やはり惜しい

 
明日「航路」の原書Passage: A Novelがやつてくるので確認したい。
 
その後、やはり惜しい部分があつて。
それは編み物の「型紙」といふ表現である。
 
おそらく原書には「pattern」または「patterns」とあるのにちがひない。
もちろん、編み物でも「型紙」を起こすことはある。厳密には型紙ではないのかもしれないが、編み上がつたパーツをその上に載せて整形するといふ寸法だ。
 
しかし、編み物の場合、「これの型紙、持つてたりしないわよね」とは云はない。
多分これは十中八九「編み方」あるいは「編み図」のことである。めりけんでは「編み図」はあまり見られないので「編み方」であらう。
 
なんでこんなに「航路」にひつかかるのかといふと、このほかの部分は実に自然だからである。中に心臓の悪い少女が出てくるのだが、この子なんかもうほんと、知り合ひみたやうな気がするくらゐである。
だからこそよけいに突然編み物の「型紙」を求めたり「アフガン編みをとりだ」したりする登場人物がゐたりすると、違和感を感じてしまふ。
 
なんだかまるでフォローするやうで申し訳ないが、でもほんたうに「航路」、おもしろい本である。よろしかつたら是非。