Vanalinn Gloves

手袋が仕上がつた。
A Gathering Of Lace に出てゐる Vanalinn Gloves である。
使用糸はパピーのダイドー牧場グランメリノ。使用針は二号。

Vanalinn Gloves

手編みの手袋といふと、「カジュアル」あるいは場合によつては「野暮つたい」といふ印象があると思ふ。

しかし、たた&たた夫の編物入門にもあるとほり、この手袋、「フォーマル」な服装にもあはせやすい。手にはめた時、なんとも「エレガント」な印象がある。
さういへばはじめて編んだ手袋も甲にレース模様が入つてゐて、案外「エレガント」であつた。手袋にレース模様。「カジュアル」な手編み手袋が多いとお嘆きの諸兄に、といつたところか。
実は、やつがれ編込み模様を編むのが苦手である。裏に渡す糸がどうにもつれたりゆるすぎたりしてしまふのだ。特に四本針五本針を使ふ場合がいけない。針と針のあひだを渡る糸がどうにも妙ちきりんになつてしまふのである。
去る冬には、Magnificent Mittens からひとつ編まう編まうと格闘してゐたのだが、結局編んではほどくこと五回(公式発表。ちよつと編んではほどいた回数もあはせると……数へたくありません)、冬のあひだに完成することなく終はつてしまつた。
そんなわけで上記たた&たた夫の編物入門にもあるシンプルな手袋ことヘリンボーンの手袋は夢のまた夢。
これまた「エレガント」な手袋なんだがなあ……。

もとい。
今回、手袋編みで学んだことは以下のとほり。

  1. 暑くても編める
  2. ずつと表を見て編むので別人が編んだやうに編み目がきれい
  3. はめながら長さ等の調整をしやすい
  4. 小物のわりに糸端の始末が多い
  5. 親指用の処理が思つたほどめんどくさくない

以下、靴下編みと比較しながら詳細。
「暑くても編める」のは、小さいので身体にあたる部分がないためかと思ふ。指にかけた毛糸が気にならなければ編める。まあこれはくつ下も同じか。くつ下の方が長くなる分、暑さに弱いかもしれない。
「表をだけを見て編める」のもくつ下と同じか。情けない話ではあるが、なかなか表目と裏目がそろはない。その点ずつと表を見て表目だけ編んでゐるとそれなりに目がそろつてみえる。まあそのわりにはボコボコしてるけど……。とほほ。
「長さの調節」は自分のものを編む場合に限るのかもしれない。一緒に住んでる人とかなら可能だらうか。でもそれだと内緒の贈り物とかにはならないな。まあ手始めに自分のものを編んでみるか、なんてな場合は編み乍らの調節が可能なので、他人のものを編む時の参考になるやう記録を取りつつ編むこともできる。個人的な感想だが、くつ下よりも身につけてサイズを調節するのが楽な気がする。足は足首のところで曲がつてゐるからだらう。
「糸端の始末」はまあ仕方がないかなあ。ミトンならまちつと少なくて済むんだらうが、基本的に指を編むたびに糸を足しては切るからね。
「親指用の処理」だが、編み始める前はこれがめんどくさいかと思つてゐた。前回編んだ時に「めんどくさい」と思つた記憶があつたからだ。前回も今回も親指は後から編むことになつてゐて、その部分を休み目にする。この時いらない糸で目を休めておいたりするのだが、前回はそのとほり、糸をとほして休めておいた。今回は0号輪針をとほしておいた。
この休み目に少し細めで軽めの輪針を通すといふのはくつ下編みの時に編み出した技法(?)である。糸を通すよりは若干端の目がひろがるかもしれないが、細めの輪針にすることで最小限に抑へることができる。針を通してゐるのであとから目を拾ひやすい。
かういふのも unvent なのかな、と思ふ。

しかし。
引き続き手袋を編みたいと思ふか、といふと……むう。
やはり糸端の始末が多いのが原因かのう。
あるいはくつ下に比べて編み気をそそる編み図が少ないせゐだらうか。

とりあへずこれで冬支度ひとつ完了(つておい)。
次は同じ本からくつ下を編んでみる予定。
Sock In Progress