波波

 
ここのところ死蔵してゐた手ぬぐひを出してきては使つてゐるのだが、やはり季節柄といふか、波をあしらつた模様の手ぬぐひから使つてしまふ。「波に千鳥」とか「青海波」とか「鯨(鯨が波間からのぞいてゐる柄)」とか。色も藍から水色みたやうな色でとてもいい。
 
今手編みのくつ下編んでも、どうせ履くのは十月過ぎてからだよな、と思ひつつも、「ひよつとしたらこれだつたら編んですぐ履けるかもっっ」といふので編み始めたのがこれ。
 
Tropicana Sock in Progress
 
パターンはこちら。オリジナルは毛100%の派手な色で編んであつて、これはこれでいいのだが。でもRegia Cottonで編んでゐる自分のもそんなに悪くないよな、とか、自画自賛。青系の縞が波打つて夏向きな感じ。
編み地もとてもやはらかい。Regia 4Plyつて編み地がかたくなりがちなんだけど(でも洗ふとウソのやうにやはらかくなるんだけど)、Cottonの編み地はなんていふのかなあ、云ふなれば「着つつ慣れにしパジャマ」みたやうな感じといふべきか。あるでせう、パジャマ地で何度も着て洗つてしてゐるうちにいい感じにくつたりしたやうな手触り。あんな感じがするのである。
すなはち、やつがれのもつとも好むタイプの布地だ。
 
これだつたら編み上がつたらすぐ履けるんぢやないかなあ。
 
踵は引き返し編みなのだが、どんな風に編むかを今考えてゐるところである。

でもあきらめない

 
やつぱり着るものを編んでみたいわけだよ。あきらめやうと思つてはゐるんだがね。
 
yoke
 
毛糸だま (No.130(2006夏号)) (Let’s knit series)は「毛糸だまアーカイブ」の「ヨークをクンストレースで編むセーター」。本ではリッチモア・フォー・ロハスのカシミヤ・トルファンを使つてゐる。ちよつと見た感じは「窓辺に座る少女」といつた印象のサマーセーターだが、色と素材をかへただけで、ぐつと自分向き(すなはち「窓辺に座る少女」とは正反対)の印象になつてゐる。さう考へるとちよつと編むのが楽しい感じ。
 
使用糸はベルクリエイトのニットメイト。以前も書いたが、「カネボウが紡績事業から撤退する」と聞いてあはてて買つた糸なので、手持ちのラベルにはまだ「カネボウ毛糸」と書いてある。色番は7907でちよつと渋めの若草色といつたところか。綿7割麻3割で、しやりつとした感じの糸である。
 
レース編みは苦手なのだが編み始めると延々編んでしまふ。このパターンは覚えやすく、あつといふ間に編めてしまつた感じがする。でも編み始めたのは5月の連休。
 
この後、後ろ身頃を3cm長くするといふので編み進む引返し編みをしながらしばらく平編みし、それから輪編みに戻る。あとは裾のガーター編みに入るまでひたすらメリヤス編み。
くつ下を編んでゐる時に気がついたのだ。輪編みでただただメリヤス編みをしてゐるのつて、思つたほどつまらなくない。退屈でもない。すなはち「なんだかいいぢやん」であつた。
特に家にゐる時間が短くてぱつと思ひついた時に編みたいやうな場合、かういふのつていいかも。
つまりさういふやうな着るものなら編めるかも。
 
といふ短絡的な理由と、「やつぱ本邦の編み物本から本邦の毛糸(ニットメイトは「毛」糸ぢやないけどな)でなんか編みたいよな」といふこれまたあまりおもしろくない理由からこれを編みはじめた。
 
編み進む引返し編みはチト面倒かなと思つたが、Magic Loop で一足同時編みの時に踵を引き返し編みにしたので云ふほどのこともなかつた。引き返し編みしながら一部だけ長くするこの方法つて襟から編む輪編みのセーターだとよく使ふ方法なのだらうか。結構使へさうな気がする。
 
もう既に引き返し編みは終はつてまた輪編みに入つた。仕上げられるんぢやないかな、と、あはい期待を抱きつつ編んでゐる。