でもあきらめない

 
やつぱり着るものを編んでみたいわけだよ。あきらめやうと思つてはゐるんだがね。
 
yoke
 
毛糸だま (No.130(2006夏号)) (Let’s knit series)は「毛糸だまアーカイブ」の「ヨークをクンストレースで編むセーター」。本ではリッチモア・フォー・ロハスのカシミヤ・トルファンを使つてゐる。ちよつと見た感じは「窓辺に座る少女」といつた印象のサマーセーターだが、色と素材をかへただけで、ぐつと自分向き(すなはち「窓辺に座る少女」とは正反対)の印象になつてゐる。さう考へるとちよつと編むのが楽しい感じ。
 
使用糸はベルクリエイトのニットメイト。以前も書いたが、「カネボウが紡績事業から撤退する」と聞いてあはてて買つた糸なので、手持ちのラベルにはまだ「カネボウ毛糸」と書いてある。色番は7907でちよつと渋めの若草色といつたところか。綿7割麻3割で、しやりつとした感じの糸である。
 
レース編みは苦手なのだが編み始めると延々編んでしまふ。このパターンは覚えやすく、あつといふ間に編めてしまつた感じがする。でも編み始めたのは5月の連休。
 
この後、後ろ身頃を3cm長くするといふので編み進む引返し編みをしながらしばらく平編みし、それから輪編みに戻る。あとは裾のガーター編みに入るまでひたすらメリヤス編み。
くつ下を編んでゐる時に気がついたのだ。輪編みでただただメリヤス編みをしてゐるのつて、思つたほどつまらなくない。退屈でもない。すなはち「なんだかいいぢやん」であつた。
特に家にゐる時間が短くてぱつと思ひついた時に編みたいやうな場合、かういふのつていいかも。
つまりさういふやうな着るものなら編めるかも。
 
といふ短絡的な理由と、「やつぱ本邦の編み物本から本邦の毛糸(ニットメイトは「毛」糸ぢやないけどな)でなんか編みたいよな」といふこれまたあまりおもしろくない理由からこれを編みはじめた。
 
編み進む引返し編みはチト面倒かなと思つたが、Magic Loop で一足同時編みの時に踵を引き返し編みにしたので云ふほどのこともなかつた。引き返し編みしながら一部だけ長くするこの方法つて襟から編む輪編みのセーターだとよく使ふ方法なのだらうか。結構使へさうな気がする。
 
もう既に引き返し編みは終はつてまた輪編みに入つた。仕上げられるんぢやないかな、と、あはい期待を抱きつつ編んでゐる。