アフガン編みのやうでアフガン編みぢやない

といふわけで、ニットフェスティヴァルに行つて来た。
といふ話はまた別項を立てることにして。
　
行つた先で、「ストレッチ編み、やつてみませんか」と聲をかけられ、やつてみることにした。針の形状がめづらしかつたからである。
　

　
編み地と針の先端部分である。普通のかぎ針やアフガン針よりくるんとした感じがする。実際ストレッチ針はアフガン針が短くなつて平たくなつたやうな形をしてゐる。この針を二本使つて編みすすめる。針にはA, B, C の三種類の太さがあるらしい。これは C だ。
教へてくれた人の話によると、アフガン針で同じ編み方をしても同じやうな編み地にはならないのださうである。ストレッチ針が平たい理由はそのあたりにあるらしい。
　

　
棒針編みの作り目で、かぎ針で棒針に編みつけていく方法があるが、それと同じ要領で片方の針に編みつけてゆき、途中にくさり編みを入れる。そのくりかへしである。あみものをする人ならあつといふ間に編めるやうになる。
今回はエク・トリーのシャルムループといふ化繊糸を使つてゐて多少編みづらい。やはりはじめてなにか編むといふ時にはストレートヤーンを使つた方がいい。教へてくれた人もさう云つてゐたが、「でもみんなかういふ糸で編みたがるんですよね」とシャルムループを指して云つた。うむ。その気持ちはよくわかる。
　

　
わかりづらいかもしれないが、編み地はこんな感じでネット状になる。すなはちストレッチするやうな編み地になるわけだ。
今回教へてくだすつた人々の中にはこの編み方で編んだものを着てゐる方が何人かゐた。またこの編み方で編んだヴェストなどが展示されてゐた。モヘアや絹糸で編んだものなど、ちよつと素敵な感じだつた。
話によると、この編み地は躯にそふのださうである。それがいいらしい。
　
また、目を落としてもそこから目がほつれてゆくことがないのもいい。
ストレッチ針のセットにはこの二本の他に四本棒針のうちの一本みたやうな針が含まれてゐて、最後はその針に編みつけ、編み終はつたら針を抜いて終はりなのださうである。
　
とりあへずこれが編めたら REGIA シルクで試してみるつもり。