「SLAMDUNK」と「アイシールド21」

 
はいはい、そこ、まんがの話ぢやありませんよ。
編み物の本の話です。
 
かつて、週刊少年ジャンプに「SLAMDUNK」といふマンガが連載されてゐて、大層人気を博してゐた。
かく云ふやつがれも好きでなあ……。
それはともかく、このマンガの人気が高まるにつれ、本邦におけるバスケットボールの人気も高まつた。
NBAといふ「日本ボクシング協会」もとい「全米バスケットボール協会」の人気も空前絶後といつていいほどだつた。
折しも神マイケル・ジョーダンの復帰、シカゴ・ブルズの二度目のthree-peat、etc.etc.、人気の出る時といふのはなぜか条件が見事なほどに揃つたりする。
 
さて、このころ風の噂でこんな話を聞いた。
NFLといふ「日本フラダンス連盟」もとい「プロフットボールリーグ」の人が日本の出版社に「アメフトのまんがを連載してもらへないか」と頼んだ、といふのである。
本邦におけるNBAの人気を横目で見乍ら、NFLが「ああ、アメフトのまんがが日本にもあつたらっっ」と思つたとしても、なんの不思議もない。
 
けれども日本側の反応は冷ややかで、「うーん、アメフトはヘルメットかぶつて顔隠したりしてるからまんがとしてはどうかなあ」といつたといふ。
 
まあほんたうに噂なのでほんたうにこんなことがあつたのかどうかはわからないが。
 
時は流れて今週刊少年ジャンプでは「アイシールド21」なるアメリカンフットボールのまんがが連載されてゐる。TVアニメにもなつたと聞いてゐる。
心なしかここのところNFLの中継が増えたやうにも思ふ。アメフトに興味はなくてもスーパーボールでローリング・ストーンズがさあ、なんて話をしてゐる人を街中で見かけたりする。
♯ほんとにしたんですよ。でもまあひよつとしたらアメフトが好きな人だつたのかもね。
♯つてーか十中八九そうだつたんでせう。
 
The Happy Hooker (Stitch 'n Bitch Crochet)を見て、なんとなくこの話を思ひ出してゐた。
 
本邦では編み物といへば棒針編みもかぎ針編みもそしてアフガン編みもさすけれど、英語でknitting といへば棒針編みのことだ。かぎ針編みはcrochet。全然別ものらしい。Elizabeth Zimmermann の本を読んだりすると、「あたしはね、棒針編みで出来ることはぜ〜んぶ棒針編みで編むんだよ」とか云つて、「そこはさすがにかぎ針編みの方が楽だらう」と思はれるやうなところでも強情に(いや、実際はそんなことないのかもしれないけど、でもやつがれにはそんな感じがしたんだもの)棒針編みしてしまつたりするやうな場面に出会ふ。また、Wendyさんもかつて職場の人にknittingとcrochetはどうちがふのかと訊かれて詳しく説明し、「だからknitting の方が優れてるのよ」と話を締めくくつた、と書いてゐたことがある。
 
でもなあ。knittingもcrochetも、やつがれにとつてはどちらも「編み物」で、どちらも好きなんだけどなあ。
 
さて、話がどんどんずれていくが、海の向ふめりけんでは編み物の人気が高まつてゐるといふ。
ここでいふ「編み物」はどうやらknittingのことらしい。
それではcrochetはどうなの、といふと……うーん、crochetの人気も高まつてゐるんぢやないかといふ気はするが、でもknittingと比べたらどうなのかなあ。
 
そこでcrochetの人は考へたのかもしれない。
「我々もknittingみたやうに人気がほしいっっ」と。
 
まあこの本の背景はそんなんぢやないとは思ふけれど。
 
裏表紙に出てゐるROWAN KidClassicで編むジャケット、いいなあ。
あとフィンガレスグラヴがいい感じ。
 
かぎ針編み、いいよな。