普通の靴下を目指して 2

 
目指したつもりだつたんだが。
 
Socks with Opal Tiger
 
編み方: ウェンディさんのつま先から編む靴下
使用糸: Opal Regenwald Tiger
使用針: 0号四本針 ゴム編み最終段は3mm
作り目: 32目
完成日: 2006/07/07
 
まあもうこの柄からして「普通」ではないわけで。
でも編んでゐて楽しかつたし、それにこの柄にはやはり普通にメリヤス編みが合ふと思ふ。
敢て編み始めの柄を合はせなかつたけれども、履いてみると気にならない。
 
それにしても、つくづく「やつぱり自分は不器用なんだなあ」と思つた。
なんといつても……うーん、細かい部分がダメ。踵が終はつた後のギャップを隠すところとかゴム編みの止め方とか、なんかさういふところがほんたうに雑だ。
雑なら丁寧に編めばいいぢやないかといふ話もあるが、でも自分では精一杯やつてゐるつもりなのである。
 
考へてみれば小中高と図工・美術・家庭科の類は全滅だつた。 なんといふか、「努力点」ばかりだつたな。それでも家庭科はペーパーテストがあつたので勉強していきやそちらで稼げないこともなかつたが、体育もさうだけど、「真面目に取り組んでゐることは認めやう」みたやうな成績ばかりだつた。
だからきつと当時の担任や美術・家庭科の担当教諭が(やつがれのことを覚えてゐたとして)やつがれがこんなweblogを管理してゐることを知つたらさぞかし驚くんぢやないかと思ふ。
特に小学生の時の担任には「自分の技量を考へてデザインを決めなさい」とか云はれたもんなあ。忘れもしない版画で着物着た人の袖に流水模様を彫らうとして全然彫れなかつた時のことだ。
 
最近は自分が好きでしかもできるやうな手芸しかしないから時々自分が不器用だつたことを(不遜にも)忘れることがある。そして、たとへば去年のスピニング・パーティの時のやうにまつたくやつたことのないやうなことをして、まはりの人との差異に「ああ、ヲレは不器用だつたぢやないか。思ひ出せ、自分」とつくづく思ふのだつた。
 
ところで、最近メリヤス編みのくつ下が気になる。履き口と踵以外は全部メリヤス編みのくつ下。ちよつと見ただけならそこらへんで売られてゐるものとおんなじやうなくつ下。
 
「手編みなんだからちよつとした趣向があつてもいい」といふのが、前回足袋ソックスを編んだ時の結論だつたが。
でも、なんといふのか、「丁寧な手仕事」みたやうな感じのメリヤス編みのくつ下、いいぢやないか。
 
今後も様々な模様の「手編みならでは」のくつ下を編んでいきたいが。
心のどこかに「普通のメリヤス編みのくつ下」を抱いてゐたいなあ、と。