糸もどき

 
Spindles
 
といふわけで、ドロップスピンドルでの糸紡ぎを学んできた。
去年からたまに挑戦してはゐたのだが、どうしても紡げるやうにならなかつた。
今回、習つてきてその理由が判明した。
 

  1. 気がつくとスピンドルを逆回転させてゐる
  2. 原毛を握る位置が近過ぎる
  3. 片手で紡いでゐた

 
1.は致命的だつた。基本的に「時計回りに回す」ことになつてゐるのだが、やつがれ、利き手でスピンドルを回すとなぜか無意識の内に逆回転させてゐるのである。なるほど、切れた糸をつながうとしてうまくいかないわけなのだつた。糸が切れたので原毛にからませやうとしてなぜかからまない。そら元と回す方向がちがつたらつながらないだらうよ。
 
2.は、うーん、でも本の写真を見るとこんな感じなんだがな、といつたところ。三角形になる部分があつて、それがわかればいいかなあと思つてゐたのだが、どうやら手でつかんでゐる部分にも撚りが入つてしまつてゐたやうなのだなあ。それでひつぱつてもひつぱつてもそれ以上のびなかつたやうである。繊維の長さといふことをまつたく考慮してゐなかつた。これ、敗因。
 
3.は、まあどうなのかよくわからないけれど、ある程度紡げた部分をつかんでおいて撚りをためてやうすを見てその撚りを上につたへる、みたやうな感覚がまつたくなかつた。片手でスピンドルまはして、片手で原毛を持つ、と思つてやつてゐたわけだ。独楽はまはしつぱなしではふつとくんですな、どうやら。
 
といふ点がわかつたところで紡いでみると……えー、まあすごいものができるのは仕方がないとして、それなりに紡げてはゐるやうである。糸が切れても、かなり気をつけながらではあるが、つなげられるやうになつた。
 
今はまだどのくらゐ撚りをかけたら適切なのか、とか、太さがそろはないよ、とか、いろいろと問題点はあるわけだが……。つづけていけばなんとかなるんだらうか。
……自分で紡いだ(つもりの)ものを見ると、とてもなんとかなるとは思へないのだが。
 
でもまあ楽しいからいつか。
 
はつつ、双糸にした糸もどきの写真を撮るのを忘れてしまつたっっ。ロムニーとゴットラントとスカンジナビア、それとフラックスを紡いだもので、「……縄?」といつた趣きなんぢやが。
撚り止めでもした暁にはここでさらしものにするかも。
 
あ、ご興味のある向きのために書いておくと、写真の毛もロムニーである。
ちなみにペレンデールを買つて帰つてきました。はい。