東京スピニングパーティー2006

 
2006/9/22(金) - 23(土)に晴海埠頭客船ターミナルホール4Fで開催された東京スピニングパーティーの初日に行つてきた。
 
いつもいつも、海外(特にめりけん、な)で開催される羊毛・編物系のイヴェントをうらやましげに指をくわへた状態で見つめてゐるやつがれである。
このイヴェントはほんたうにありがたい。
「本邦にだつて、こんなイヴェントが開催されてるんだぜ」と心強く思ふ。
まつこと、有難いことこの上ない。
 
初めて行つた去年はいろいろ講習会にも参加したが、今回は「行つてなにかあつたらにしやうか」といつたスタンス。そんなわけで、開場後三十分後くらゐに着くやうな感じでちよつとのんびり行つた。使用した交通機関は都バス。東京駅丸の内南口から晴海埠頭行きに乗つた。
結果、これが功を奏したのだと思ふ。去年のやうに開場時間に間に合はなければ、とか、ホテルの用意したバスつてどこから乗るのか、とか、さうした迷ひがない分、らくちんだつたのだ。
♯ところで東京駅前でバス待ちしてゐる時に列がヘンな方向にのびてて、な。
♯先頭に並んでゐたやつがれたちも悪いのかもしれないが。
♯しかしちよつと見ればどの方向に並ぶか一目瞭然だらうに……。
♯背後に並ぶ人の常識を疑ふ瞬間。
♯おそらく普段バス待ちの列に並んだりしない人々なんだらうな。
♯うらやましい。
 
今年はワンフロアが去年より広く、ひとつの階にすべての出展者・展示者が一堂に集まつてゐる。このため見逃しは少ない……はずだつたが、同行の友人がゐなければミニ出典ブースは見逃してゐたかもしれないな。本があるよ、と教へられてそちらに行つたら昨日も書いた「北欧ワンダーニット(仮)」の見本を見ることができた。ありがたい話である。
 
でもワンフロアに全員ゐるといふのは見落とすことがないといふ点でとてもいいと思ふ。
開場三十分後といふ時間帯のせゐか、とにかく大盛況でこの時点では人が多すぎて見えないブースがたくさんあつた。さうだなあ、バーゲン期間中のおばさんの群、とでも云ふとおわかりいただけるだらうか。そんな感じ。
 
心惹かれたのはアトリエアンカーペグの「二重編み」実演。編んでゐた方はすでに帽子のやうなものを編み始めてゐらしたが、客の依頼で三本の毛糸で作り目を実演してたり、展示されてゐる「二重編み」の作品について説明してくれたりしてゐた。実演もしてもらつた。うーん、いい。編み気ばかり高まるが、はたして編むのか、ヲレ。
去年は「編物より織物をする人の参加が多いのだらうか」と根拠もなく思つた。出展者の販売するものに織物系が多いやうに感じたからである。今回も出展者の販売物に対する印象は変はらないが、一般参加する人々に関して云ふと、編物をする人も多さうであると思つた。理由は「北欧ワンダーニット(仮)」があつちふ間に売り切れてたからだけど。また去年は自分で織つたものを仕立てたやうな服を着てゐる人が多いやうに感じた。今年もそれとおぼしき人を見かけたが、手編みと見受けられる服を着てゐる人も少なからずゐた。まあ時期的にあまり手編みの服を着てくる人もないのだらう。
 
今回買物リストにあがつてゐたのは、かせとり器(ニディノディ)とカーダー。どちらもなくても代替物があるので、「まあなくてもいいか」と思つてゐたのだが、「これ」といふものがあればほしいなあと思つてゐた。
また先日やつとわかりかけてきた紡ぎ用にちよこつと原毛がほしいかな、くらゐのつもりでゐた。
 
そんなやつがれが最初に買つたのは恵糸やのシルクカシミヤ。藍染めの濃淡で50gずつ二かせ。
 
次が手織工房タリフタータンチェックのマフラーキット。実は織のキットなのだが、「元々は編物用の毛糸ですから」と勧められて購入。それがこれ。
Yarns from Tokyo Spinning Party 2006
 
糸ばかり買つてるよ、と思ひつつ、続いて羊の工房 包(バオ)藍染めのシェットランド100gを購入。「紡ぎ、はじめたばかりなんですけど……」と訊いたら大変親切にいろいろ教へてくだすつた。ありがたいことである。ここでは小分けになつた色とりどりのロムニーが売られてゐて、さらにそれが三個セットでスピンドルもついたものがあつた。秋色のセットにとても心惹かれたが、購入断念。
 
原毛はまだ続く。スピンハウスポンタでいろいろ紡いでみたい初心者にはたまらんパックを購入。それがこれ。
Wool from Tokyo Spinning Party 2006
 
なんと、それぞれちがふ羊の毛が12種類もつまつてゐるのである。
これがやつがれの買つた「オーストラリア・スウェーデンニュージーランドの羊」のパック。
同行の友人は「イギリスの羊」パックを購入。実は最初まつたく気づかず、もう一人の同行の友人がこれに気づいた。さうかー、イギリスの羊だけで12種類パックができるんだー、すごいな。
ここではコンパクトなチャルカをさらに小さくしたものが売られてゐた。うーん、チャルカ、いいよね。綿はおそらく紡がない気がするが、あのコンパクトな佇まひにやられてゐる。実は和風な糸車にもとても惹かれる。不思議といはゆる紡ぎ車にはあまり惹かれない。
 
そんなわけで最後におりびと・ウィービングショップでウルトラライトといふドロップスピンドルを購入。High Whorlである。
スピンドルに関してはweblogなんぞを拝見するとみなさま自作なさるらしいが……図画工作も美術も努力点だつたやつがれにはちよつと敷居が高い。
と、云ひ訳をしておかう。
 
そんなわけで、15時ごろ晴海埠頭を後にした。
晴海埠頭といへばかつての展示場の面影はなにもなくなつてゐた。去年のスピニングパーティーの時はわづかに残されてゐた旧南館も取り壊され、オリンピック会場予定の巨大な立て札があるばかり。
ちよつとさみしいね。