Ravelryが楽しくて

 
Ravelryはほんたうに楽しい。
あまりに楽しすぎて時間のたつのも忘れてしまふくらゐである。
 
九月に参加して、早二ヶ月。
最近思ふことがある。
それは、「もつと本邦の編み図から編みたい」「もつと本邦の毛糸で編みたい」といふことだ。
 
Ravelryでは、その時々で人気のある作品や毛糸がわかるやうになつてゐる。
たとへば最近編み始めた人の多いのはMonkeyだ。このくつ下の指定糸はShelridge Farm Soft Touch Ultraだが、Ravelryの参加者の編むMonkeyを見てゐると、実にさまざまな毛糸を使つてゐる。当然色も人によつてかなりちがふ。
 
この「同じもの」が人によつて「ちがふ」といふのが、とてもおもしろい。
 
本邦のあみものweblog界を見るに、なんとなく舶来の作品を舶来の毛糸で編んでゐる方が多いやうに見受けられる。
いや、誤解しないでほしい。それが悪いといつてゐるのではない。それどころかすばらしいことだと思つてゐて、自分でもよくやつてゐる。
 
ただ、Ravelryのやうな場では、「みんながやつてゐること」になるといふ、それだけのことなのだ。
たとへて云ふなら、国内にゐる限りは髪を脱色してみたり明るい色に染めたりするのも「個性」なのかもしれないが、一歩外に出たら元の黒いままの髪の方が「個性」になるやうなもの、とでもいはうか。
 
そんなわけで、作品か毛糸かどちらかだけでも本邦のものを使つて編みたいと思つて編んだのがこれ。
 
Harald Watch Cap
 
Elsebeth Lavoldの_Viking Patterns for Knitting (asin:157076137X)_ からHaraldである。Haraldは帽子ミトンくつ下にセーターのセットで、前々から編みたいと思つてゐたのだつた。
作品は瑞典の人のものだが、毛糸はダルマイングスのシェットランド島の毛糸を使用した。この秋冬の新作毛糸の一で、ほかにプロヴァンスのメリノなんてのもあつて心揺れたが、自然な色合ひが気に入つてこちらにした。
はつきり云つて、やつがれの住まひするあたりではこの帽子は暑すぎてかぶれないのではないかといふ気もする。でも編みたかつたんだよねぇ……。こればつかりは仕方がない。
 
こんな調子で、本邦の毛糸で舶来の作品を、あるいは舶来の毛糸で本邦の作品を編んでいきたいなあと思つてゐる。あるいは自分で紡いだ糸で、といふのもいいなあ。
 
…………そんな夢みたやうなことばかり考へてゐる。
るるる。