第5回東京スピニングパーティー: スピンドルの糸紡ぎ

初めてといふこともあつて、第5回東京スピニングパーティーではいろんなワークショップ・レクチャに参加してみた。

たとへば一日目。
特別ワークショップ「羊毛の国からスピンドルの糸紡ぎ」に参加した。
講師はアシュフォード社のロウィーナ・ハート。クラフトひつじ座の方(確か)がサポートしてくだすつた。
スピンドルは持参してもいいし、きちんと代金をはらふとアシュフォード社のクラシックといふタイプのスピンドルを購入できる。
参加者は大勢ゐた。きちんとした人数はわからないが、三十人から四十人のあひだくらゐか。
そのうちかなりの人が紡ぎ車での紡ぎはやつてる模様。
おそらく、まつたく初めてといふのはやつがれだけだつたらう。
成果については写真を参照のこと。
My Drop Spindle and Yarn-to-be

原毛は一番下の青がメリノ、上の白と緑がコリデールといふことだつた。最初にコリデールで学びませうといふことだつた。色はいろいろあつて選べた。

ここで思ひ出したのが橋本治男の編み物(ニット)、橋本治の手トリ足トリである。
この本で、橋本治は母親にあみものを教はらうとしたがとんと要領を得なかつたと書いてゐる。
そして、「わからない」といふと、「なんでこんなかんたんなこともわからないのか」と云はれた、とある。

もちろん、このワークショップでは「わからない」と訴へて、「なんでわからないのか」なんて云はれたりはしないが、「簡単でせう?」といふ感じではあつた。

思ふのだが、料理とか手芸とかさうしたものを他人に教へるのつて大変なんである。
だつて教へる方はもうできるんだもの。
自分にもわかる。「作り目つてなんのためにするんですか?」とか訊かれたら、きちんと答へられる自信はまつたくない。
そして手芸が趣味なんてな人はもともと手先が器用でいい意味で要領のいい人が多いんだと思ふ。
不器用で要領が悪いやつがれのやうな人間はめづらしいのだらう。これはなにかにつけ今回のイヴェントで感じたことだつた。

そんな訳で、「教へ教はることのむづかしさ」を実感したワークショップだつた。
しかも紡ぎにはまつた(^_^;)。