編んではほどく一日

 
といふわけで、今日は写真なし。
 
まづは先日購入したレースの本からなにか編まうといふわけで、朝から手持ちのレース糸をあさつた。本の指定する糸はオリムパスのエミーグランデ。やつがれの愛する糸である。
そんなわけで我が家にはたくさんあるはずなのだが……うーん、なんだか渋い色ばかりだ。一昨年の新色がとても好きなのだが、これがいづれも「和調」といふか、つまりは落ちついた色なのだつた。
 
をかしい。生成りの糸を持つてゐるはずなのに。
去年瑞典から戻つてきてから全部編んでしまつたのだらうか。ありうる。
 
そんなわけで、一緒に出て来たダルマレースのスビンレース糸で編んでみたのだが。
 
うーん、これ、とつてもいい糸なんだけど、できあがるものがイメージしてゐたものとちがふ。
なぜつてやはらかすぎるのだ、できあがるものが。
 
よくよくラベルを見ると、「ウェアものに最適」みたやうなことが書いてある。
うむ、これでウェアもの、あるいはスカーフみたやうなものを編んだらとてもいいだらう。
光沢はすばらしいし、かぎ針で編んだとは思へないほどやはらかいものが編める。
 
だがやつがれが作りたかつたのはコースタになるやうなモチーフだつた。やはらかいとダメなのである。
 
そんなわけで、とりあへずかぎ針編みのモチーフはあきらめて、スビンレース糸でなにを編むか考へてゐた。今のところ、かぎ針編みのウェア&小物に載つてゐるマフラでも編まうかなあといつたところ。
タティングレースに使へたらいいのに、とも思ふが、それにはちよつと撚りが弱い気がする。
 
棒針編みの方も同じやうな感じだつた。
今週は平日のあひだはほとんど編めなかつた。出掛けにちよつと時間がある時にJaywalkerを編んだくらゐで、Dunaddは手つかず。
なぜといつて時間がないので編み図や編み方を見乍ら編むやうなものに手をつける心の余裕がなかつたからだ。
さう、なかつたのは「時間」ではなくて「心の余裕」なんだと思ふ。
といふか思ひたい。
 
実際は先週DunaddやHebrideanのあまりのよさについ夜更かししてしまつたのを反省してのことだつたりもするのだけれどね。
 
ところで今日は手持ちの本を調べてゐて、_Knitters_のSummer 2005 Issue が出て来た。これに掲載されてゐる Elsebeth Lavold の Latigo といふヴェストを見た時から編みたいと思つてゐた。これは以前書いたな。でも手持ちの糸にこの作品にあひさうなものがなかつた。
 
もひとつところで、実は先日リッチモアのソワ・ラ・モードを十玉購入してしまつてゐた。四割引だつたんだよ……とほほ。もうかういふ買ひ方をしてはならないと思ひつつ、でもこんなことでもないとソワ・ラ・モードなんて買はないからなあ、といふので気がついたら会計を済ませてゐた。
 
……もうかういふ買ひ方はしない、と心に誓ひながら。
 
きつと守れないけど。
 
といふわけで、ソワ・ラ・モードで編んだらどうだらうと思ひつき、早速スウォッチを編んでみた。
ソワ・ラ・モードのラベルには6号か7号の針を使ふやう書いてあるが、8号を使つた。目数はかなり指定のゲージに近づいたが、段数が多過ぎる。9号でもためしてみたが、結局8号で編むことにした。
 
そして遅まき乍ら気がついた。
かうして編むものを増やすから「心の余裕」がなくなるんぢやないかといふことに。
 
…………でも編んでて楽しかつたんだよ。
 
ソワ・ラ・モードは毛七割・絹三割のなんだかとつてもぜいたくな手触りの毛糸である。
うーん、こんなにぜいたくでいいんだらうか。