いつたいいつ編んでゐるのか。

 
我ながら不思議である。
でも一昨年ももつとひどい状況だつた(今のやうな状況でさらに土日がなかつた)にもかかはらず、三年手帳を見てると「Multidirectional Diagonal Scarf 完成」とか「くつ下完成」とかいふ記録があつたりする。
うーむ。
 
かつて澤瀉屋市川猿之助がコマーシャルで「好きなら時間を見つけるものである(正確には「好きあつてゐる同志ならたとへどんなに忙しくても時間を見つけて会ふものだ」といふやうなことだつた気も……)」といふやうなことを云つてゐたが(そしてそのかなり後、澤瀉屋が倒れて澤瀉屋一門は分裂、残つた面々の実力のなさは覆ひ難く、「こんな出来でほかの役者の出る芝居と同じだけの木戸銭を取るのかっっ」と木戸銭泥棒呼ばはりしたくなるのをぐつとこらへてゐるやうな状態だが。つてその前に行かなきやいいんだつて)、さういふものなのかな。あのころは「澤瀉屋に云はれると説得力あるなあ」と思つたが、倒れてるんぢやなあ……。やはり人間、ムリをしてはいけないのである。
森博嗣も云つてゐる。人間、好きなことについてはムリをしてしまふものなのである。体温が三十七度あつたら学校を休むかもしれないが、好きな野球の試合ならたとへ三十八度くらゐあつたつて行つてしまつたりするものなのだ、と。
さういへば、以前も書いたが同僚でテニスが大好きといふ人がゐて、「熱が四十度くらゐあつたつてテニスならできる」と豪語してゐたが……いや、だからそんなことしちやいけないんだつて。
 
といふわけで、Hederaである。
 
Hedera
 
編み方: Hedera, Knitty Spring 2006
使用糸: ROWAN 4Ply Soft SHADE 375 August
使用針: 1号五本針
作り目: 別糸を使はないゴム編み用作り目
編み方のLサイズに従つて編んだ(でも編み方の方はまだSとLのちがひがよくわからない状況だけど)
 
ROWAN 4Ply Soft とこの編み方との相性のよかつたせゐか、思つたよりも早く仕上がつた。
今回はじめて捩り1目ゴム編みを編んだ。実は高校生くらゐまで編み方がをかしかつたせゐで捩り目を編む時に異様に手間がかかつたので編んだことがなかつた。
今回編んでみて捩つた表目の細さが妙に気に入つた。
またこのくつ下は踵のまちをひろつた次の段も捩り目をするのが特徴だ。まちからひろった目はゆるくなりがちなのだが、捩ることでひきしまる。
 
問題は踵が大きすぎることか。履いてみるとそんなことはないのだが、おいてあると踵の大きさばかりに目が行つてしまふ。
 
それと、ROWAN 4Ply Soft はくつ下にはちよつとぜいたくすぎやしないか、とも思ふ。もともとは手袋を編むつもりで買つた糸だつたが、手袋にももつたいないかも。
♯つてな感じなんですよ、Candyさん。
♯こんなところですみません。
 
でもこの毛糸で編んでゐると幸せな気分になつて、すこし時間ができるとつい手にとつてしまつたりすることも一度ならず。
かつてROWAN MAGAZINE その他に出てゐる同じ糸を使用した作品を編んでみたいと思つたことがあつたが「糸がほそいしなあ……」と尻込みしてゐた。
だけどこれなら案外編めるかもしれないぞ、と思つたり。
 
あ、あと、アルミの針はやはり手が疲れる。以前5号くらゐの針で編んだ時はそれほど感じなかつたけれども、針が細いと手にかかる負担も大きいのかもしれない。
 
このくつ下はも一度編むかも。
 
Hedera