気分は宇宙海賊
人は、編まぬとわかつてゐても編み物の本を買つてしまふことがある。
つて元がわからんよ、これぢやあ。
元は「男は負けるとわかつてゐても戦はねばならない時がある」だつただらうか。かういふ女々しいことを云ふやうな輩がああみづからは好かねえわな。
それはさておき。
といふわけで、買つてしまつた。風工房のクロッシェレース。
いや、もう絶対編まないから。見てわかるから。
これはきつと本棚の肥やしあるいはよくて目の保養以外のなにものにもなりさうにない。
もちろん麗しのレースも持つてゐるが、中の作品を編んだことはない。替襟なんか、編んでみたいなあとは思ふが、「編んでも使はないしなあ」と断念すること数度。
それに……うーん、ウェアものは若向きぢやないか? やつがれくらゐの年齢になつてしまふとちよつとダメなんぢやないか?
などと云ひながら、今日も眺めてしまつたりするのだつた。