まだ甘口の編物本が多いとお嘆きの諸兄に
といふのもなんだが。
「北欧ワンダーニット(ISBN:4579111184)」を入手した。東京スピニングパーティーで見本を拝見してから、まさに首を長くして一日千秋の思ひで待つてゐた。
待つた甲斐があつた。
著者・林ことみが数年に渡り北欧で開催されてゐたニット・シンポジウムに参加たり友人たちと情報交換する中で覚えた十の技法を紹介するもので、それぞれの技法を使つてさまざまなこものを作ることができる。
基本的にはパピーやクロバー、ホビーラホビーレの糸を使つてゐるけれども、中にはオステルヨートランドやその他現地の毛糸を使つてゐるものもあつて、趣がありステキ。
北欧といふが、フィンランド・スウェーデン・ノルウェー・デンマーク・アイスランド・エストニアの技法を紹介してゐる。中には必ずしも北欧特有の技法でないものもあるし、伝統的技法でないものもあるが、それがまたいい。
また、「ヴィヴィアンの楽しいドミノ編み(ISBN:4579108876)」にもあつたけれども、今回も要所要所に英訳がついてゐる。かぎ針編みにもついてゐるのがまたうれしい。持ち運びに便利なサイズといふのもよい。
この秋冬の編物本も出そろひつつある。編物人気にあやかつてか、書店の手芸関連の棚は編物書籍で百花繚乱といつたところ。だがどの本を手にとつても、なんだか個性がないといふか、似たやうな切り口ばかりといふか、そりや可愛いのもいいけれど、そればかりぢやダメだらうと、憂へてゐた矢先のことで、大変よろこばしい。
見てゐるだけでも楽しいが、編んだらもつと楽しいだらうな。
ひとまづエストニアン・スパイラルを先日トレ・マーガで購入した草木染めの毛糸で編んでみるつもり。