ていねいに紡がうとすると

 
なぜか細くなつてしまふ。なぜなぜ?
 
といふわけで、先日Candyさんにいただいた毛をすこしずつ紡いでゐる。すこしずつなのは自宅にゐる時しか紡がないから。
 
Spun
 
……毛の写真を撮つたと思つたのにどこかに行つてしまつた。また後ほど。
毛はやはらかい色合ひのピンクで、微妙に濃淡があり、ところどころ黄色い部分もある。ちよつと春先の靄みたやうな色合ひといはうか。あるいはそのままCotton Candyといふか、そんな感じ。
これを「今日はこれくらゐかな」とやうすを見乍らちよこつとずつ紡いでゐる。家で紡ぐのでゆつくりスピンドルをまはしてみたりして、とても楽しい。
 
んだが。
 
んー、なんだか糸が細すぎる気がするんだけど……。
いや、安定して細ければいいんだけど、ところどころ太いんだよな。
元々双糸にするつもりでゐたから細いのはかまはないんだけどね。
職場で紡いでゐて思つたのだが、どうやらていねいに紡がうとすると細くなりがちなやうである。おそらく、慎重に慎重に毛を引き出すので、引き出す毛の量が少なくなるんぢやあるまいか。で、時折慎重な状態を続けるのがつらくなつて突然太い部分ができてしまふ、と、そんな寸法な気がする。
 
いつになつたら安定した紡ぎができるやうになるんだらう。
あるいは一生このままなんだらうか。
ちよつと目の前が暗くなる思ひのするやつがれであつた。
 
そんな時はいただいたやさしい色合ひの毛を見てなごむのだつた。