野呂ウィルス

 
時々頭の中でかう変換してゐる。
実は金曜日この「野呂ウィルス」に感染してしまつたのだつた。
だつて野呂糸にしては安かつたし、50gで200mもあるのに6〜7号で編むんだよ。
買ふなといふのがムリである。
といふよりは、見つけた時点でやつがれの負け。
 
……なにを編むんだかねえ。
 
今日はSecret Project(つてほどたいしたもんぢやなくて、単に写真をうまく撮れなかつたといふ話)を編みつつ、新入りのスピンドルで紡ぎつつ馬見たり。
パドックとかでよろよろよたよたしてゐたのに一着だつたオグリキャップの方が感動的だつたと思ふやつがれはやはり古いのだらうか……。
しかしどちらも騎手は同じか。
 
いづれにせよ編んだり紡いだりしてゐる時はたのしい。たのしいといふか……満ち足りてる感じ、かな。
紡ぎといへばよく「ゴムのやうにのびる」といふ表現を聞くが、ゴムはのばすと反発してもとに戻るのでなにかがちがふ気がしてゐた。この話を友人にしたところ、「ぢやあ、おもちはどう?」と云はれた。これがまさにぴつたりの表現だと思つた。
はじめて「おもちのやうにのびる」原毛といふか糸といふかを感じたのはポロワスを紡いでゐる時だつた。つきたてのおもちがびよ〜んとのびる感じ。あつあつのはずなんだけど、そんな熱さは感じなくて、でも手にした毛はどこかあたたかくて。
そんな感じ。
 
満ち足りるのも道理か。