自分史上もつとも醜いくつ下
自分で紡いだ毛糸でくつ下を編んでみた。
なにが悪かつたんだらう。
……つて、紡いだ糸が一番悪かつたんだらうが。
アナンダで購入した染色ペレンデールの灰色を紡いだ毛糸で編んだ。
以前ちよこつと書いたが、この糸ははじめて「撚りをためておいてえいやつと引く」を実践できたものである。この紡ぎ方は去年の十一月に教はつて、以来折りにふれためしてゐたのだが、なかなかうまくできなかつた。引くことができなかつたのである。それがこの時はじめて引けるやうになつた。結果、できた糸は今までにないほど「ほはつ」とした感じの糸になつた。
問題は、引けなかつた時もあつて、といふよりははじめのうちは全然引けなかつたのでその部分の糸はまつたく「ほはつ」としたところのない糸だといふことだ。それを撚りあはせてゐるのでまつたくことなる二種類の糸を撚つたやうになつてしまつた。
まあ、それも「味」といへばさうなのだが。
糸は双糸にした状態でほぼ200m/100gといつたところ。並太相当だが、実際にはもつと太い。なぜなら1インチあたり9巻(9wpi)だからである。
このあたりのからくり(?)については思ふところもあるのでそのうち。
くつ下は _Handknit Holidays (asin:1584794542)_に掲載されてゐる Log Cabin Socks。
このくつ下の選択も悪かつたんだらうと思ふ。普通にメリヤス編みのくつ下にしておけば、毛糸の「味」がそのまま生かされただらう。
あれこれ書きたいことはあるが、まあこのくつ下だつて悪いばかりぢやない。長所もないわけぢやない。
- あたたかい
- かるい
- 意外と縄編みがくつきり出てゐる
あたたかいのはまあ手編みの毛糸のくつ下は大抵あたたかいものである。
かるいについては、これ、35gしかないのだ。
通常、並太相当の毛糸で縄編み入りのくつ下を編んだら片方50gではおさまらないことが多い。去年手あみ靴下コンテストに参加するのでいろいろとサンプルのくつ下をイェガーマッチメイカーDKで編んだ。いづれも縄編み入りで、なんとか一玉におさまるくらゐだつた。参加作はハマナカのエクシードウール合太で編んだけれども、40gでは片方を編み上げることはできなかつた。
35gといつたら中細毛糸であまり模様の入らないやうな普通のくつ下を編んだ時とそんなにかはらない重さだと思ふ。
縄編みについては、比較的撚りの甘い糸に縄編みはどうだらうと思つてゐたのだが、糸が空気を含んでゐるせゐか縄編み部分がふつくらしてゐる。これは案に相違の効果であつた。
しかしほかの部分がね。どーにもね。
つねづね思つてゐるのだが、自分と同じころに紡ぎをはじめた人がけつこうたくさんゐて、weblogなんぞも展開なさつてゐたりするのを拝見してゐると、僭越乍らみなさま大変に上達が早い。「普通はかういふものなのかな」と思つたりもする。翻つてやつがれは、未だに「……太さが一定しない」とかそんなことに拘泥してゐる。
でも太さがそろはないとかういふことになつちやふんだよねー。
Second-Sock-Syndromeにはあまり縁のないやつがれだが。
♯なぜかといふとダメな時はFirst Sockで投げ出してしまふからである。
今回ばかりは一足そろはないかもしれないなー……
と、ちよつと弱気だつたりする。
でも100g紡いぢやつてるんたよねー。むー。
これはかういふものといふので編んでみる、かのう。