思ひ込み

 
だいぶ復調してきた。
ただまだ鼻がかなりつまつてゐて、夜中に息苦しくて目覚めること一度ならず。そんなわけで寝不足でチトまゐつてゐる。しかもちよつとでも冷えると咳き込むし。むー、せつかくの連休なのになあ。
 
調子のよい時は起きて紡いだりもした。

Holiday Spinning
 
かせになつてゐるのはコリデール。洗ひ済みを買つてきて梳いては紡ぎ梳いては紡ぎをすこしずつくりかへしてゐる。どうもうまく紡げないことがあるけれど、どうやらそれはカーディングがうまくいつてゐない模様。これは連休前の週末にかせあげしてあつたもの。
かせとり器にかけてあるのはブルーフェイスライスター。先日200g紡ぎ終へて双糸にしてゐるところ。先日「最後の方に紡いだ部分と最初の方とでは太さがちがふ」といふやうなことを書いたが、双糸にしてゐる最中に見た感じでは太さはそんなにかはらないやうだ。どうやら思ひ込みだつたらしい。
スピンドルに巻き付いてゐるのはメリノ。フェルト用として売られてゐるあのメリノだ。Bosworth Midiが来るとわかつた時に「なにか試しに紡ぐものがほしいよな」といふわけで近所で買へるこの繊維を購入してあつた。50gを二袋も、といふところが笑へるが、単糸に紡いだままになつてゐたものを今回改めて双糸にしてみたら。
うーん、これも案外ちやんと紡げてゐた。「ちやんと」といふのは、太さが思つたよりもずつと一定なのである。実はブルーフェイスを双糸にしてゐる時に、「うわー、こんなに双糸にしやすいの、これがはじめてだー」と思つたが、このメリノもそんなに遜色なかつた。
このメリノを紡ぎはじめたのは昨年の暮れ。ブルーフェイスに着手したのが二月末だからその直前までメリノを紡いでゐた。
 
長いこと「自分は全然紡げてゐないなあ」と思つてゐたのに、実は数ヶ月前からそんなに手が変はつてゐなかつたのだ。
思ひ込みつておそろしいねえ。
 
しかし、「自分は紡げてゐない」と思ふ所以はないわけではない。
たとへば職場に初手からすばらしく紡げる同僚がゐる、とか。
ほぼ同じ頃に紡ぎをはじめた他のweblogの方々の上達が目覚ましい、とか。
 
うーん、でもやはり一番の理由は、「不器用だと云はれて育つたから」なやうな気がしてゐる。
ほんたうのことだから仕方ない。まあなにをやらせてもこれがもう自分でもイヤになるほど不器用だ。指の先、いや、そもそも手に神経が通つてゐないんではないかと疑ひたくなるほどである。
♯実際通つてゐても電気が通つてゐないのかもしれないな。
だからくつ下なんぞはそれはもう数を編んではゐるけれど、ちよつとしたところがいつまでたつても不様である。たとへば糸端の始末とかね。メリヤスはぎとか。踵の段差の解消とか。
でも自分には今はそれが精一杯なわけだ。あるいは「自分は不器用だからそれが精一杯だ」と云ひ訳してしまつてゐる。
棒針のレース編みもできないしなあ。かぎ針編みのレースはごまかすかもみけすかだし。
 
以前から「手作り品はやたらめつたら他人に贈るものではない」と云つてゐるけれども、これはえうするに「不器用な人間の作つたものなんぞを他人に贈るのはどーよ」といふ自分への戒めだつたんだらうなあ。
 
それはさておき。
 
ま、太さは以前より断然一定に紡げるやうになつてゐるので、今後は以下の点に挑戦してゆくつもり。

  1. 均一な撚りを目指す
  2. 細さを恐れない
  3. 太い糸を紡ぐ

 
あ、作るものを想定して紡ぐ、も入れないとダメかな。