はじめちやつたよ

 
五月病
今更なのだが、なんといふか、そんな感じであつた。
とにかくなにもやる気がしないのである。
などと云ひながらちよこちよこ紡いだりとか編んだりとか結んだりとかしてはゐるのだが、きちんと形にならない。
まーくつ下はまだ編みかけだし、紡ぎはといふと去年東京スピニングパーティーで購入したシェットランドを紡いで双糸にしたりはしてゐるのだが。
 
それだけぢやなくて本を読む気にもならないし、weblogの更新もする気にならない。どうも「精神的な活動が停滞してゐる」といつた様相。
問題なのは、さういふ状態つて案外つらいことである。「そのうちあれもこれもやりたくなる時がくる」とわかつてゐても、今この時が耐へ難い。
 
そんな状況がかれこれ十日は続いてゐたらうか。
昨日、「藪原検校」を見て来て、ブラームスの四番二番を聞いてきて(すなはちダブルヘッダだつたわけぢやね)、少しずつやる気が出てきた。
 
といふわけで、はじめたのが「月の夜」である。
 
Mondnacht
 
棒針編みのレースは編めないと思つてゐたんだがなあ。といふか、編めてないけど。
実は、「日本の編物のパターンを編みませう」といふグループがあつて、そこを拝見してゐるうちになんだか成り行きではじめることになつてしまつたのだつた。
糸はEneを編まうと思つて買つてあつたAvrilのシルクウール。針は2.75mm。
とりあへず模様Aのスウォッチを編むだけで、有に一時間はかかつてしまつたといふ体たらくである。どこかでをかしくなつたことに気がつくのだが、さてどこで間違へたのか判明するまでに時間がかかるからだ。
 
でもまあ編めないことはないらしい。
 
そんなわけで、縁編みをはじめてみた。縁編みは8段のくりかへしなので今のところ快調。とはいへ、ほぼ毎段編み図を確かめながら編んでゐるのだが。
 
それにしても、日本語がわからないけど編んでみたいといふ、その情熱が熱いよな。たた&たた夫さんのサイトを参考にされてゐるらしいが、それでも「それ、たたさんとこに書いてあるで」といふことで悩んでゐる人が多い。
 
考へてみたら、やつがれは仏蘭西の編み方も解読できてないし、独逸のもさう。英語以外でなんとかなるのつて伊太利語のタティングレースだけかなあ。タティングの場合はできあがりの写真があればなんとかなるといふ話もあるがね。
 
「月の夜」自体は途中で挫折しさうな気もするが。
まあ気長にいくことにするよ。こんな編み図を見ることができるのも老眼になるまでな気もするしな。