メビウスにもいろいろあつて

 
二月に仕上げてゐたメビウスマフラ。既に使ひこんでゐてかなり縮絨がかかつてゐる。編みあがつた当時のふつくらした感じはなくなつてしまつたが、とろとろの手触りである。
 
Cashmere Moebius Scarf
 
糸: 恵糸や カシミヤ100% 20番 2本取り
針: 10号輪針 80cm
パターン: Cashmere Moebius Cowl (PDF)
変更点: 作り目の数を倍にした(さうしないと短すぎて糸が切れやすいので)
 
糸ははじめて恵糸やさんにお邪魔した際に購入したもの。以前何度か書いたやうな気がするが、この日職場で甚だ気分を害することがあり、少々早めにあがつて恵糸やさんへと向かつたのだつた。それが一昨年の夏だと記憶してゐる。その後はじめての東京スピニングパーティーに参加するのだが、それはまた別の話。
 
メビウスものも五つほど編んでゐる。
Elizabeth Zimmermann は、普通に長くマフラを編んで最後ひねつて輪にする方法を提示してゐるが、ここにあげたものは最初から輪針で輪にして編む。
 
最初はこちらを参考に編んだマフラ。普通に指でかける作り目をして、次の段を編んだら作り目の下から目を拾ふといふものである。かうすると自然にメビウスのねじれができる。但し、まん中にはつきりと作り目の跡ができる。
 
残り四つはマフラ二つとショールと帽子が一つずつ。いづれも Cat Bordi の _A Treasury of Magical Knitting (asin:0970886977)_ を参考に編んだもの。作り目は八の字にする。かうすると、作り目の跡はほとんどめだたない。(うまく)ガーター編みにすればどこから編み始めたのか謎なマフラ(なりショールなり)のできあがり、といふわけだ。
 
最初のひとつはものめづらしさに編んだけれど、残りの三つは上のパターンにあるマフラを編みたくて編んだ。練習用だつたわけである。
 
最近、「北欧ミラクルニット(asin:4579111621)」といふ本が刊行されて、中にメビウスマフラも掲載されてゐる。こちらの作り目はかぎ針を使つたもの。写真を御覧いただけるとわかるが、真中にくつきりと作り目の跡が浮き出てゐる。
 
あ、どれがよくてどれが悪い、と云つてゐるのではない。オプションは多いはうがいい。
 
ちなみに指でかける作り目の場合は作り目の下から目を拾ふ時、Cat Bordi の方法だと前半の目を拾ふ時にかなり苦労する。「北欧ミラクルニット」の方法は試してゐないのでわからないが、見た目から云ふと目を拾ふのは一番楽なんぢやないか。そんな気がする。
ふふ、もちろん絶対試してみるつもりだもんね。まだいつになるかわかんないけど。
 
これはもうだいぶ前に編んだものだけれども、先日帽子を編んでからどうもカシミヤづいてゐて、今職場で紡いでゐるのもカシミヤならここのところ仕上げたものはみなみなカシミヤといつた体たらくだ。ピエロのヴィンテージカシミヤ100で3目ゴム編みの帽子を編んだし、はじめての東京スピニングパーティーで恵糸やさんから購入した半端なカシミヤ 20番(多分)で三角ショールも編んだ。
人間、贅沢を覚えてはいけない。
 
そんな気のする秋のゆふぐれ。