とりとめもなくだらだらと

 
Long Time No See.
 
何度同じことを云つてきただらうか。
 
そんなわけで、編んでゐないわけぢやない。
年末年始の休みには「この機会に」とばかりにこれまで買ひためてゐた毛糸をたんすの奥底からひきずり出してきて編んだり、編みたいと思ひながらもそのままになつてゐたものを編んだりしてゐた。
まあほとんど編み散らかしたばかりで完成させたものは少ないけれど。とほほ。
 
さて。
去年最後に仕上げたのは Ice Queen Version A だつた。
 
Ice Queen
 
糸: Rowan Kidsilk Haze SHADE: 600 (Dewberry)
針: 10号40cm輪針、4号40cm輪針
ビーズ: スワロフスキー ソロバン型 5mm アレキサンドライト
2007/12/24 着手
2007/12/29 完成
 
ビーズについて少々。
最初はビーズなしで行かうかとも思つたが、入れて正解だつたと思ふ。
Ice Queen は Kidsilk Haze がひとつあれば余裕でできあがる(少なくとも Version A は)。半分弱はあまるんぢやあるまいか。
さういふ実に軽い編み地が、ビーズの重みで落ち着くのである。
スワロフスキの5mmが60個もあつたら重すぎるのではないかと心配もしたが、まつたく問題ない。
「アレキサンドライト」といふことで、光源のちがひによつて若干色もかはる。ただし本来のアレキサンドライトのやうに自然光の下では青緑、人工光の下では赤紫といふやうにはならない。水色かあはい紫色といつた感じで、まあこれはこれでなかなかよいとは思つてゐる。
 
毛糸とビーズとなんだか高価さうな組み合はせだが、毛糸は三割引の時に買つたもので、ビーズは貴和で買ひ求めたものだ。
すなはち、とても economical な価格で手に入れたわけだ。
さう考へるととつてもお得な感じがするが、考へてみたら Ice Queen は贅沢であることを楽しむもののやうな気もする。
庶民は悲しいな。
 
何度か写真を撮りなほしてゐるのだが、なかなか「これ」といつたものがとれない。いつそのこと「かぶつてナンボ」するといいのかもしれないが、その場合、背後から撮りたいんだよね。頭から肩に流れる線がいいんだ、ほかの人のを見ると。
♯もちろんやつがれの場合はよくない可能性が高い。とほほん。
 
この Kidsilk Haze も長いことたんすの主として君臨(?)してきたものだつた。
買ふ時にはちやんとなにを編むか決めてゐたはずなのだが。
あまりにも時がたちすぎてなにを編むつもりだつたかすつかり忘れてゐた(すなはち買つたことも忘れてゐた)といふかはいさうな代物である。
 
でも、なんとなく予想はつく。
おそらくレースものを編むつもりだつたのだらう。
しかし、「ヲレには棒針編みのレースなんて編めない……」といふわけで、結局糸はお蔵入り、と、さういふ寸法だつたと思はれる。
♯実は同じやうな糸がまだほかにもある。
♯たとへば北欧旅行の時購入したオステルヨートランドの極細毛糸とか。
♯なにかレースものでも、と思つたまま、たんすの主と化してゐる。
 
思へば ene も編み始めたはいいが途中で数が合はなくなつて辻褄も合はせられずほどいたままになつてゐる。
Mondenacht も同様。
きつと自分には棒針編みのレースはムリなのだらう。
さう思つてゐた。
 
確かに、くつ下ではレース模様の入つたものも編んだことはあるし、手袋だつて Vanalinn Gloves を編んだ。4目からせいぜい12目・4段からせいぜい16段くらゐのレース模様なら編めることはわかつてゐる。
しかしショールは編めない。多分マフラでもムリ。
 
長いことさう思つてゐたわけだ。
そのわりには「レースものを編まう」とか無謀なことを考へて買つた毛糸があつたりすることもまた事実。
 
つまり編みたい気はあるけれど、編みはじめると混沌としたものになつてしまふ、と。
 
毎回さういふ目にあふと(いくら自分のせゐとはいへ)、「これは自分用ぢやあない」といふ気になる。短い人生、そんなものに費やす必要はないといふ気にもなる。
 
Ice Queen を編むことにしたのは、三連休の一日、たまたまたんすの中を探索してゐたら、今後使はれることはないかもしれない Kidsilk Haze を見つけたからだ。そこからすべてははじまつた気がする。
その後、編み方を見てみたら、スワロフスキのクリスタルパール型4mmが60個必要だと書いてあつた。手持ちのビーズを見たら、ソロバン型5mmが60個あつた。
輪針もとりあへず5.1mmの40cm輪針がある。
 
編みはじめてみたら、なんとかなつた。
とりあへず途中で辻褄合はせをすることもなかつた。
♯ま、eneとかに比べたらずつと簡単な模様であることはまちがひないが。
 
編みあがつたものは、ほとんど水のぬるま湯にさつとつけてタオルで水分を吸収し、手でのばして乾かした。編み方にもさうしろと書いてある。ワイヤやピンは不要だ、と。
仕上がりは、そんな簡単な方法で整形したとは思へないほどだつた。モヘアのもはつとした毛の感じものこつてゐるし、何度か使つた今でもすその部分はきちんと広がつてゐる。
 
ほんたうは頭からかぶつて使ひたいが。
うーん、それはちよつとどうよ、といふ気もする。
編み方には「映画スターのやうな気分になれるわよ」とか書いてあるが、やつがれの場合はせいぜいスカーフを三角巾代はりにしたおばさんといつた趣だ。
ただ、実用的な面から云ふと、頭から首、肩にかけて覆ふことができるので、あたたかい。
 
そんなわけで、普段は首まはりにかけてゐるのだが。
かういふ使ひ方をするなら Version B の方がよかつたな。Version B はガーター編みだから裏表がない。
 
といふわけで、そのうち Version B も編んでゐる。
かもしれない。