かくして糸は増えてゆく

 
ここしばらく紡ぎから遠ざかつてゐる。
どれくらゐかといふと……うーん、半年くらゐ?
別段、いやになつたわけぢやない。
飽きた? それはもしかしたらあるかもしれない。
 
だが、一番堪へるのは、糸ばかりが増えていつて、しかも一向に減る様相を見せないことだ。
多分、さういふことなのだと思ふ。
市販の糸もあるといふのに。
しかも、それらもなかなか減らない。
 
ところで、海の向かふめりけんには、Spin Offなる雑誌がある。
なんてなことは今更書くまでもなからう。
だから、「この雑誌がまた一々encouragingかつinspiringで」、なんてなことも書く必要はない。
書いてしまふのは、みづからの弱さゆゑだ。
 
もとい。
 
しかし、紡ぎ専門誌である。うすつぺらい雑誌で、広告も多いが、しかし、これが季刊誌なのだ。
紡ぎ専門誌が、だ。
なぜか知らないが、読んでゐると紡ぎたくなつてくる。
当然内容の大半は紡ぎ車で紡ぐことが前提になつてゐたりするのだが、それはあまり関係ないらしい。また、最新号である今年の夏号では「はじめての紡ぎ車の選びかた」みたやうな記事があり、文字通り「目を皿のやうにして」読んだが、特に「んぢや、ひとつ車を買ふか」といふ気にはならなかつた。
 
なにがencouragingでinspiringなのか、といふと……
うーん、やはり、この世のどこかに「紡ぐことが好きな人」「紡ぎに対して真摯な人」「紡がずにはゐられない人」がゐる、といふ事実、なのではなからうか。
 
それはweblogなどを見てゐても感じることである。
Ravelryの紡ぎ関連のGroupにはメンバの紡いだ糸の写真がこれでもかといふほど掲載されてゐたりして、これを見てゐると、なんだか自分も紡ぎたくなつてくる。
 
まあ、そんなわけで、ものすごく久しぶりに紡いでみた。
毛はLorna's LacesのRoving。Tahoeといふ色合ひで、毛糸では使つたことがないので、いいかな、と。
 
Lorna's Laces Roving Tahoe
 
かなり前に紡ぎはじめた時は、ナヴァホ撚りにしやうと思つてゐたらしく、なんだか異様に細く紡げてゐて双糸にするときにまゐつた。
 
実はRavelympics用のマフラを編むつもりで紡いでゐるんだけど、間に合はないに三千ゼニーである。
Ravelympicsは、まあよくある五輪大会にちなんだ編物系のイヴェント。北京五輪開始あはせて編み初めて、五輪期間内に仕上げるのが目的、なんだと思ふが……。ま、いつか。
 
ちなみに_A Fine Fleece (asin:0307346838)_のRoad Not Takenを編むつもりだ。