温故知新

 
当然買つた「タティングレースの首飾り(asin:4529047180)」。
表紙を見て、いや、それ以前に何年か前の「毛糸だま」の記事を思ひ出して、「「華麗なクラシックレース タッチングレース (asin:4529025330)」に載つてゐたのと同じものだらう」とわかつてゐてもなほ、買つた。
 
それだけタティングレースの新刊が貴重である、といふこともあるのだが、このパターン、ビーズの組み合はせを変へるだけで、かなり楽しめるからといふのもある。
実際に本を手に取つてみて、色遣ひもかなり好みだつたので、買つてよかつたと思つてゐる。
 
今回の藤戸禎子の本は、「天然石とビーズがうつくしい」と冠されてゐるとほり、ほとんどの作品にスワロフスキーであるとか天然石であるとかパールビーズであるとかの「大玉」が使用されてゐる。
だが、それが大仰でない。
アクセントであり、作品を引き締める存在として使はれてゐるやうに見受けられる。
これがまた自分にはのぞましく思へる。
 
ほとんどの作品は同じパターンで、ビーズの入れ方や組み合はせ、あとは結び目の数を変へることで変化をつけてゐる。後半に行くと、二列目を足したりしてゐるものもある。
 
基本的に、シャトルに巻いた糸は芯糸。リングを作つたりするわけではないので、それほどたくさん巻かなくていい。作品の途中にリングがあつても、大抵はモックリング(SCMR)なので、やはりシャトルの糸は芯糸になるだけである。ビーズは全部糸巻きに寄せるか、途中でかぎ針を使つて追加するので、シャトルには「藤戸巻き」する必要はない。
途中でかぎ針で足すのはともかく、シャトルにビーズがないといふのは、いい。ほんたうは芯糸側にもビーズを入れるデザインが好きなのだが、シャトルの糸にビーズがあると、糸の取りまはしが結構面倒なのだ。結ぶときには出てこないやうにしないといけないし、使ふときには巻いてある糸をほどいてビーズを呼び出す必要がある。
 
今回、黒い糸にブロンズの色あせたやうなビーズをあはせて作つてみた。
 
Bead Tatted Necklace
 
糸にビーズをとほしてしまへば、あとはひたすら結ぶだけなので、楽。
ただし、ずつとチェインを結んでいくだけなので、飽きることもある。
だんだんできあがつてくるのが楽しくなつてくると、飽きもどこかへ行くのでさほど心配する必要は無い。
 
初心者向けとあるが、ピコとつなぐ時に上からかぶせるやうに、といふところがむづかしいかもしれない。またうまいことビーズとビーズのあひだから糸を出してくるのも、これは自分が不器用なせゐかもしれないが、ちよつとこつがゐる気がする。
 
ちなみに下の写真は「華麗なクラシックレース タッチングレース」に掲載された作品を元に作成したもの。あげてしまつたのて手元にはない。
 
Bead Tatted Necklace
 
どちらも糸とビーズの選択は本に載つてゐたものではなくて、手元にあるものから選んで作つた。
作つてるときは、「自分好みでいいなあ」と思ふのだが、できあがつてみると、さて、していくところがない。
セーターやマフラーなど着たり身につけたりするものはまちつとどうにかなるものだが、アクセサリはそのあたりがむづかしい気がする。