グダグダではあるものの

 
去年、Sock Knitters Pentathlon (以下「SKP」)に参加した。
かんたんに説明すると、去年はオリンピックが開催された年といふことで、それにちなんで五足のくつ下を決まつた期間で編みませう、速いが勝ちよ、といふ形のknit-alongであつた。
去年のエントリを見ると、一応四足めまではこちらにも載せてゐるやうである。
実際は、ちやんと五足編んで、十一位といふ、なんかとても微妙な結果に終はつたのだつた。この「微妙さ」がなんとなく自分らしいかも。
 
「今年もやりませうよ」といふので、既に三足めまできてゐるが、三足めになにを編むかの発表が遅れたこともあり、また、「編み気」の低迷によつて、「もうこの先は編まないかも」と思つてゐた。
 
先日、「iPhoneにはあみもの用のアプリケーションがいくつもある」といふやうなことを書いたが、この時にPodcastのこともちよこつと書いた。
あみものPodcast。あみものに限らず、手藝Podcastと呼びたいやうなPodcastがいくつもある。
最近気に入つて聞いてゐるのが、Knit PicksのKelly Petkunによる「Knit Picks Podcast」。
もちろん英語なのだが、これが大変に聞き取りやすい。
……つてそのときにも書いたか。
 
ときどき「なにもそんなに強調しなくても」といふ喋り方をすることもあるが、インタヴュー以外は概ね聞き取りやすいと思ふ。インタヴューは電話越しらしく、また、相手の調子にあはせることもあつて、早口になりがちだし、ちよつと聞き取りづらいかも。
 
まだほんのすこししか聞いてゐないのだが、たまたまかもしれないがくつ下編みを賞賛してゐるのを何度か聞いて、「さうだよなー。いいよなー、手編みのくつ下」と思つたわけだ。
 
単純なんである。
 
そんなわけで、今回編んでゐるのはこれ。写真はちよつと前に撮つたもので、すでに片方できあがつてゐて、もう片方を編んでゐる最中。
 
Samarkand Sock in Progress
 
Samarkand Socksといふ。どうもRavelryにしかパターンがないらしい。
モザイク模様のくつ下は一度は編みたいと思つてゐたけれど、伸縮性がよくないんぢやないかと思つてなかなか踏み出せずにゐた。
SKPは、かくして、編み込み模様のくつ下やあじろ編みのくつ下など、これまで「やつてはみたいけど……」と思ひながらもただ思ふだけだつたくつ下を「編まうよ」と誘つてくれた、とてもありがたい催しである、といふことになる。
少なくとも自分にとつては。
催しものだから、仕上げるしね。あじろ編みのくつ下なんかはもう途中で投げ出さうかと思ふほど進まなかつたが、なんとか完成にこぎつけることができた。できあがつてみれば、なんだかいい感じである。喉元過ぎれば熱さを忘るのたとへとほりだ。
 
Samarkand Socksには、踵とつま先の編み方は出てゐない。各自好きな編み方をするやうにと書いてある。
編むのはheel flapが好きなんだけど(三角のマチ部分がとても好きなので)、履いてぴつたりすると思ふのは引き返し編みの踵。
そんなわけで今回はウェンディさんのつま先から編む靴下に出てくる編み方で踵を編んでみた。
 
こんなことを自分で云つてはいけないとは思ふが。
なんだか、上達してゐる気がする。
糸が黒くてあらが目立たないせゐかな。
 
かういふ編み図を見ながらでないと編めないやうなものもいいが、くつ下はやはりただのメリヤス編みとか脚の部分はゴム編みとかがいいなあ、と思はないでもない。
久しぶりにさういふのを編んでみるか、といふ気にもなつてゐる。
或は覚えやすいレース模様のくつ下とか。
毛糸はうなるほどあるわけだしね。
 
それにはまづこれを編んでしまはなければ。