Smartphone と Knitting, Tatting, Or Crochet

 
気がつくと、フリーパターンばかり編んでゐる。
編み物に関する書籍は富士山(「富士」は数が異常に多いことをあらはす)と持つてゐるのに、まつたく世の中ままならない。
 
以前は、Tungsten|CやTreo 650にフリーパターンを流し込んで持ち歩いてゐた。
どちらもいはゆるPDAといふ小さなディヴァイスである。
Webから編み方の部分だけテキストで切り出して、そのままmemoにあるいはDoc文書にしてゐた。
これは、「モバイル・ニッタ」「モバイル・タッタ」「モバイル・クロシェタ」には実に便利で手軽な方法だつた。
「モバイラ」として編み物をする場合、編み方をどのやうにして持ち歩くかといふのは実に大きな問題である。なぜなら編み物の本といふのはどれもかなり大判だからだ。必要な部分だけコピーするといふのが一般的かもしれないが、わざわざコピーする手間や料金が無駄な気がする。
 
だが、PalmOS機、すなはちTungsten|CやTreo 650に編み方を入れれば、掌サイズの小さなマシンを持ち歩くだけですむ。
しかもTreo 650には元から度量衡換算機能のある計算機がついてきてゐる。Tungsten|CにはAbroad!といふPalmwareを入れて換算してゐた。
 
長いことこの方法で来たのだが。
今年になつてW-ZERO3を入手したことでいろいろかはつてきた。
 
W-ZERO3なら、別にテキスト部分を切り出す必要はない。付属のInternet Explorer Mobileでフリーパターンの掲載されてゐるweb ページを表示しておけばすむのである。
PDFだつてそのまま表示できる。
 
実は使ひはじめて二ヶ月過ぎるまでこのことに気がつかなかつた。
ある時、外出中にどうしてもある作品に必要な毛糸の量をたしかめたくなつて、W-ZERO3で調べて、この時はじめて気がついたのだつた。
 
遅い。遅過ぎる。
だが気がついたのだから、これからは最大限にこの長所を使つていきたい。
 
このままではますますWeb上に公開されてゐるフリーパターンばかり編んでしまふのではないか。
そんな気のする秋のゆふぐれ。