Weblog 発

 
ここのところweblog発の本を読んでゐる。
 
Yarn Harlot: The Secret Life of a Knitterは、風邪でダウンしてゐる時に手にした。
一読、おもしろかつた。
なんで今までこのweblogを読んでゐなかつたかと思ふほどだつた。
 
たしかに。
かぎ針編みに対する偏見や、毛アレルギーの人に対するしつこいほどの挑戦など、「いくらエンタテインメントだといつてもこれはちよつと……」と思はないこともない。
しかも、出てくる単語や言ひ回しがやつがれ風情にとつてはかなり敷居が高い。
それにも関はらず、おもしろいんだなあ。
たとへばstashについてだけど、「これは特別な毛糸だから使へない」「これは家族からの海外旅行みやげだから使はない」なんてな分類が実にいい。「さうか、ヲレが手持ちのあの毛糸を使へないのは「特別な毛糸」だつたからなんだっっ」と、目から鱗が落ちるやうな心持ちがした。
あるいは愛する娘が「編み物を教へて」といつた話。与へられた毛糸に満足しない娘は、伊太利製のcrepeを所望する。すると著者は娘をつれて毛糸屋に行くのだ。異常な量の毛糸を所有しながら、「娘を愛してないわけぢやない。でもあの毛糸をろくなものも作れない初心者に滅茶苦茶にされたくない」といふ理由から、だ。
 
_Yarn Harlot_は読み物。
Mason-Dixon Knitting: The Curious Knitters' Guide: Stories, Patterns, Advice, Opinions, Questions, Answers, Jokes, and Picturesは読む部分も多いが、パターンもそこそこ載つてゐる。
こちらのweblogは以前から読んでゐた。が、今回はじめてなぜああいふ形式(correspondenceみたやうな形式)なのか知つた。遅いよ、ヲレ。
 
中に「こ、これはハマナカのポームで編みたいっっ」といふものがあつて、今逡巡してゐる。
ハマナカのこの春夏の新作糸・ポームは実に手触りのよい糸で、やつがれとしてはかぎ針編みするより棒針編みにしたいのだが、ぢやあなにが編みたいかといふと、これといつたものがないといふ情けない状態だつた。
 
編みたいものができちやつたよ……。如何せん。
 
そしてどうやら明日あたり、Wendy Knits: Adventures with Two Needles and an Attitudeが届くらしい。
その内容や如何に。
 
それは次回の講釈で。